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ザ・リッツ・カールトン大阪、1歳と過ごす万博の夜

万博一色の大阪にあって、この一夜だけは時間の流れが違った。1歳0ヶ月の息子が客室に立てられたテントに這い込んでいく姿を見ながら、そう思った。

滞在情報

  • 訪問時期:2025年4月20日(大阪・関西万博に合わせた家族旅行2泊3日の2泊目)
  • 利用シーン:家族滞在(妻・息子1歳0ヶ月)
  • 予約方法:ポイント宿泊(60,000ポイント)
  • 予算帯:宿泊はポイント充当。リッツキッズは別途12,650円(3日前までの事前予約)
  • 利用内容:宿泊(ゲストルーム/キングベッド1台)+朝食(スプレンディード)
  • Bonvoyステータス・ポイント利用有無:プラチナエリート/ポイント宿泊。クラブラウンジの利用はなし
ベビーベッドが配置されたザ・リッツ・カールトン大阪のクラシックなキングベッドルーム
大理石テーブルに用意されたクッキーや金平糖などのウェルカムスイーツとお茶セット
リッツ・キッズのインルームナイトサファリテントと用意された小さな子供用バスローブ

西梅田の喧騒が、扉一枚で消える

ザ・リッツ・カールトン大阪は、梅田という日本有数の人流の只中にありながら、館内に一歩入った瞬間に音の質が変わる。18世紀の英国貴族の邸宅を範とした内装は、いま流行のラグジュアリーホテルの明るく開けた設計とは対極にある。重い調度、深い色の絨毯、間接照明。視界が一段暗くなることで、外の情報量が身体から抜けていく。

万博会場からの帰路、人混みで消耗した状態でこのロビーに入ると、その効き目は殊更にわかりやすい。子連れの旅で最も価値が高いのは、実は「静かに減速できる場所」だと思う。

客室は、様式の中に休息を置く設計

案内されたのはキングベッド1台のゲストルーム。鏡面をあしらったヘッドボードと釦留めのレザー、淡い桃色のカーテンという、ブランドの様式をそのまま残した設えである。最新の設備でモダンに更新された客室ではないが、寝具の質と遮音は現在も十分に高い水準にあり、寝かしつけの時間帯に廊下の気配が届くことはなかった。

ベッドサイドには木製のベビーベッドが用意されていた。柵の高さがあり、内側には布のパッドが回してある。ベッドフット側の低いベンチと合わせて、家族3人が動く導線が最後まで詰まらなかったのは、この客室の面積配分が効いている。

ザ・リッツ・カールトン大阪の客室窓から見下ろす大阪市街地の高層ビル群
客室内に設営されたRitz Kidsロゴ入りキッズ用キャンピングテント
ふかふかの布団とタオルがセットされた安全な木製ベビーベッド

リッツキッズという、体験の付加価値

今回の滞在で最も記憶に残ったのは、別途申し込んだリッツキッズの設えだ。窓側にティピー型のテントが立ち、その手前にランタンとフェルトの焚き火、方位磁針を象ったラグが敷かれる。室内に小さなキャンプサイトがひとつ出現する、という趣向である。

1歳0ヶ月にはまだ早いかとも考えたが、実際には布をくぐって出入りするだけで十分に成立した。歩き始めの子にとって、自分の背丈に合った「くぐれる入口」があることの吸引力は相当に強い。12,650円という金額をどう見るかは家庭ごとの判断になるが、記念日や旅の締めくくりに滞在そのものを主役にしたい場面では、投じる価値のある費用だと考える。予約は3日前までの受付である点だけ、旅程を組む段階で押さえておきたい。

朝食は、和の一皿が驚くほど組める

朝食はロビー階のイタリア料理「スプレンディード」で。トスカーナの別荘を模した空間だが、並ぶ料理は和洋の幅が広い。白米に明太子、ちりめんじゃこ、塩昆布、梅干し。焼き魚、冷奴、こんにゃくの煮物、切干大根。漬物は黒門市場の老舗が製造元として掲げられており、朝の一膳の締まり方が違う。

そしてこのホテルの朝食は、朝からスパークリングワインを供する。旅の中日ではなく最終日の朝に、オレンジジュースと並べてグラスを傾ける。この一杯があるかないかで、チェックアウトまでの空気がまったく変わった。

ブッフェ台はシリアル、コールドカット、フルーツと回遊しやすい配置で、子どもを抱えたまま片手で取り分けられる。皿の置き場が要所にあるのは、乳幼児連れには地味に効く配慮である。

イタリア料理「スプレンディード」の看板
イタリア料理「スプレンディード」の朝食
イタリア料理「スプレンディード」の皿置き場

気になった点

正直に書いておくと、サービスの密度と朝食の完成度という点では、日光・京都・福岡といった同ブランドの他館と比べたとき、印象の強さでは一歩譲る場面があった。ただしこれは、リッツ・カールトンという看板に対して期待値が高く設定されすぎている、という側面も大きい。歴史ある館ゆえの様式の重さを「古さ」と取るか「品格」と取るかでも評価は分かれるだろう。梅田という立地の利便性と、リッツキッズのような体験商品の厚みは、他館にはない明確な強みである。

総評

万博期の大阪という、宿泊単価が跳ね上がる局面でポイント宿泊を充てられたこと。そして客室そのものを子どもの遊び場に変えるリッツキッズという選択肢があったこと。この2つが噛み合った時点で、この滞在の費用対効果は十分に成立していた。都心の利便性を確保しながら、1歳児と静かな夜を過ごしたい家族には迷わず薦められる。

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この記録について

本記事は筆者自身が実際に滞在し、自費(現金・ポイント・無料宿泊特典)で支払った滞在の記録である。ホテル・ブランドからの提供や取材招待は受けていない。設備・サービスは訪問時点で確認できた事実に限って記載し、確認していない事項は書いていない。

亀山容三|株式会社スマートコネクション代表。食べログ4,000件超、GoogleローカルガイドLv10。2024年生まれの息子とともに、Marriott Bonvoy系列を中心に家族で滞在している。

乳幼児連れのホテル選び、客室タイプの判断、クラブラウンジや朝食の使い勝手について質問があれば、お問い合わせで受け付けている。滞在実績の範囲で個別に回答する。

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