アフタヌーンティーの創始者アンナ・マリアを主題に据えた一段。ピアノの生演奏が流れるロビーラウンジで、菓子ひとつひとつに茶の名前が付されていく。
滞在情報
- 訪問時期:2025年4月(大阪・関西万博に合わせた家族旅行/同ホテル宿泊時に利用)
- 利用シーン:家族滞在(息子1歳0ヶ月同伴)
- 予約方法:宿泊とは別途予約
- 予算帯:6,000〜7,999円/1人
- 利用内容:アフタヌーンティーセット「アンナ・マリアズ ティールーム」
- Bonvoyステータス:プラチナエリート(宿泊はポイント宿泊)



生演奏が空気の密度を決める
ザ ロビーラウンジは、クラシカルな内装をそのまま引き継いだ空間である。天井の高さと調度の重さ、そこにピアノの生演奏が加わることで、話し声が音楽に溶けて輪郭を失う。結果として、隣席の会話が耳に入ってこない。子ども連れで滞在する側にとって、この「音が互いに干渉しない」状態は想像以上に安心材料になる。
ウェルカムドリンクはジャスミンとダージリンの水出し。冷たい茶から始まる導入は、外を歩いてきた身体の温度を静かに下げてくれる。
アンナ・マリアという主題
セットの名は「アンナ・マリアズ ティールーム」。アフタヌーンティーの創始者とされる第7代ベッドフォード公爵夫人アンナ・マリアを主題に据えた構成である。特徴的なのは、菓子のほぼすべてに茶の名前が組み込まれている点だ。
チャイティームースにエキゾチックフルーツ。ジャスミンとアプリコットの“フレンチファンシー”。ロイヤルミルクティーとブルーベリー。アップルタルトにはシナモンとルイボス、アーモンドフレーク。そしてカモミールとパイナップル、バニラアイスクリーム。茶葉の香りを菓子側に取り込むことで、飲み物と皿の間に断絶が生まれない。主題の立て方が明確で、食べ進むほど納得が積み上がっていく構成である。
セイヴォリーの水準も高い。ジン「六」とディルでマリネしたサーモングラブラックスに、きゅうりのクレームフレーシュを合わせてミニクロワッサンで。カレー風味のエッグサラダにチェリートマトとスペックハムをプルマンブレッドで。アーティチョーク、ほうれん草、茸、ゴートチーズのハーブキッシュ。葱とポテトの冷製スープにはアスパラガスとトリュフが落とされる。甘い皿に入る前に、塩気と香りで舌を整えさせる設計が効いている。
スコーンはプレーンにアプリコットジャムとクロテッドクリーム、チーズスコーンにはオニオンジャム。アールグレイのヴィクトリアスポンジは、ラズベリーコンフィとクリームチーズアイシングで締める。



気になった点
ドリンクの扱いだけは、事前に把握しておいたほうがよい。他のリッツ・カールトンのロビーラウンジでは茶を何種類でもおかわりできる運用が一般的だが、ここでは1種類のみという案内だった。今回はオリジナルブレンドティーを選んだが、菓子ごとに茶を替えて楽しみたい向きには物足りなさが残るかもしれない。裏を返せば、最初の一杯をどう選ぶかがこの席の楽しみ方を左右する、ということでもある。
総評
主題設定の明確さ、茶と菓子の呼応、セイヴォリーの完成度。いずれも高い水準にあり、価格帯に対する満足度は十分に高い。ピアノの生演奏という環境要因も含め、大阪でアフタヌーンティーを一度きり選ぶなら、有力な候補に入れてよい。宿泊とセットで組めば、チェックイン前後の時間をそのまま体験に変換できる点も効率がよい。
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