ロングハウスを思わせる高い天井の下、木漏れ日と鳥の声を浴びながらの朝食。5泊を通して毎朝訪れても飽きなかったのは、日替わりで表情を変える品揃えと、朝から供されるスパークリングがもたらす小さな祝祭感ゆえだった。
訪問時期:2025年2月27日〜3月4日の滞在中(毎朝/息子:生後10〜11ヶ月)
利用シーン:家族滞在(ザ・リッツ・カールトン ランカウイ宿泊中の朝食)
予約方法・難易度:宿泊に付帯する朝食を利用。予約不要
予算帯:宿泊料金に含まれる(2025年2月現在)
利用内容:朝食ビュッフェ+アラカルト(シェフズ・シグネチャーエッグ料理)
営業時間:月〜土 7:00〜10:30/18:30〜22:30、日 7:00〜10:30(朝食は毎日/2025年2月現在)
Bonvoyステータス・ポイント利用有無:プラチナエリート



Langkawi Kitchenは、ボルネオ島の先住民族の住居「ロングハウス」に着想を得たという、ザ・リッツ・カールトン ランカウイのオールデイダイニングである。屋内・屋外の2フロア構造で、格子細工の意匠を纏った高い天井と、ジャングルに面したパノラマの眺望が空間を支配する。夜には金の格子が仄暗く輝く重厚な佇まいだが、朝はそこに熱帯の陽光が差し込み、まったく異なる表情を見せてくれた。
まず特筆すべきは、この朝食が「朝からシャンパンやカクテルをフリーフローで供する」という点である。入口近くにはリッツ・カールトンの銘を刻んだ木製のドリンクスタンドが設えられ、フレッシュオレンジジュースやスパークリングが並ぶ。バケーションの朝に、スパークリングやエスプレッソマティーニを傾けながらゆっくりと食事を始める――その一杯が、平日の朝食とは一線を画す非日常を演出してくれた。



ビュッフェの充実ぶりも見事である。焼きたてのクロワッサンやパン・オ・ショコラ、抹茶のデニッシュ、マフィン、そしてマレーシアの伝統菓子クエ・ラピスまでを揃えたベーカリーコーナー。ローカルの矜持を示すのが、「世界一」と黒板に掲げられたロティチャナイのライブステーションと、チキンカレー・エッグコルマ・ビーフインハニーソースなどが並ぶマレーシア式カレー群である。クリスピーに焼き上げたロティを、香り高いダルカレーに浸して頬張る朝は、この土地ならではの贅沢だった。加えて、白湯のように澄んだスープの麺、点心、フライドライスやチャークイティオといったアジアの一皿も揃い、和洋中とマレーシアが一つのフロアに同居している。



このダイニングの真価は、ビュッフェに留まらず注文式のシグネチャー卵料理を供する点にある。スモークサーモンのエッグベネディクトは、とろりと落ちるオランデーズソースが美しく、ふっくらと巣ごもりのように仕上げた卵料理はカニ身をあしらった贅沢な一皿。中でも記憶に残ったのは「Pek Nga」と名付けられたマレー式のパンダン・フレンチトーストで、目の覚めるような緑の断面とパンダンの芳香が、南国の朝を鮮烈に彩った。ワッフルにアイスクリームとチョコレートを重ねたデザートまで、朝食の枠を超えた満足感がそこにあった。



日替わりで品の一部が入れ替わるため、5泊すべての朝が少しずつ違う。息子も、すりつぶした南国のフルーツや粥を喜んで口にしていた。ロングハウスの静かな熱気の中で家族三人、思い思いの皿を選ぶ時間は、リゾート滞在の穏やかなリズムそのものだった。



総評
「ホテルの朝食」という言葉が想起させる水準を、Langkawi Kitchenは軽やかに超えてくる。国際色豊かなビュッフェの厚み、ローカル料理への誇り、注文式の卵料理の完成度――そして何より、朝からグラスを傾けられるという小さな贅沢が、滞在の一日一日を特別な始まりへと変えてくれた。ランカウイのリッツ・カールトンに滞在するなら、この朝食は滞在価値の中核をなす一つだと断言できる。ファンとして、毎朝の訪れが待ち遠しい朝食だった。こうした滞在の快適さも、Bonvoyのエリート資格や無料朝食特典に支えられている。どのカードをどう持つべきかは家庭や利用頻度によって最適解が異なるため、気になる方は下記フォームから遠慮なく尋ねてほしい。
レストランでの食事体験
同施設のレストランでの食事評は、姉妹メディア「Gastronomy」で紹介している。
- Langkawi Kitchen|リッツ・カールトン・ランカウイ・オールデイダイニング——ジャングルと海に挟まれた、世界屈指のホテル朝食
- Hai Yan|リッツ・カールトン・ランカウイ・中華料理——水上の絶景と四川の刺激が交差する、特別な夜
- Dining Beyond|リッツ・カールトン・ランカウイ・プライベートダイニング——星空と波音に包まれた、人生で一度の食卓
- The Beach Grill|リッツ・カールトン・ランカウイ・ビーチダイニング——氷上の一尾を選ぶ夜、市場を店内に持ち込んだ設計
この滞在に関連する記事
- ザ・リッツ・カールトン ランカウイ 宿泊記|生後10ヶ月の息子と過ごした5泊6日|約100㎡のコーナールームや、ビーチ・プールを含む5泊6日のリゾート滞在全体を総評としてまとめている。
- リッツ・キッズと子連れ設備 完全ガイド|生後10ヶ月の息子と検証した子連れ設備|プールやキッズクラブなど、子連れで使える館内設備を実用ガイドとしてまとめている。
- Dining Beyond ランカウイ|生後10〜11ヶ月の息子と訪れた砂浜ディナー|一日一組限定で楽しむ、砂浜でのプライベートなサンセットディナーの様子を記録している。
Marriott Bonvoyアメックスと筆者へのご質問について
本サイトで紹介しているエリート資格・クラブラウンジ・無料宿泊といった滞在の価値は、その多くをMarriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・カードに支えられている。
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