海にせり出した巨岩の上に高床式で建つ中国料理店。水上デッキから三方の海を見渡しながら味わう四川の一皿は、料理そのものの完成度に、この土地でしか得られない眺望が重なり、忘れがたい食事体験となった。
訪問時期:2025年2月27日〜3月4日の滞在中の一夜(息子:生後10〜11ヶ月)
利用シーン:家族滞在(ザ・リッツ・カールトン ランカウイ宿泊中のディナー)
予約方法・難易度:要予約(スマートカジュアル)。水〜日のみ営業のため、滞在日程との調整が要
予算帯:アラカルト(コース・単品/2025年3月現在)
利用内容:ディナー(ロゼワイン+前菜+メイン数皿)
営業時間:水〜日 18:30〜22:30(月・火 休業/2025年3月現在)
Bonvoyステータス・ポイント利用有無:プラチナエリート



Hai Yan(海宴)は、ザ・リッツ・カールトン ランカウイが擁するモダン中華レストランである。最大の特徴は、その立地にある。海際にそそり立つ巨大な岩の上に高床式で建てられ、東・南・西の三方に開けた広々とした水上デッキを備える。館へと至る通路は、黒い列柱が水面に映り込む荘厳な回廊で、瓦屋根の重厚な佇まいと相まって、食事の前から非日常へと誘われる。店内は朱の吊り灯籠と格子細工の意匠が織りなす、しっとりと落ち着いた中華の空間。窓の外にはアンダマン海が広がり、席のどこからも海が視界に入る。
この夜はロゼで喉を潤した。イタリア産のピノ・グリージョ・ロゼ(Torresella)は、四川の辛味を受け止めるのに程よい果実味と酸を備えていた。
前菜は、よだれ鶏を思わせる四川式の冷菜。しっとりと蒸し上げた鶏に、花椒を効かせた黒く輝くタレをまとわせ、白胡麻とピーナッツ、青葱を散らす。ひと口含むと、痺れと辛さがじわりと立ち上り、鶏の淡白な旨みを鮮烈に引き立てた。既製の甘い中華とは一線を画す、本場の香りである。
メインは、白身魚の四川煮と豆腐料理。魚は、唐辛子と花椒をふんだんに敷き詰めた真っ赤なスープの中で、ふっくらと火を通されている。表面を覆う香辛料の量に一瞬たじろぐが、口に運べば辛さの奥に魚介と発酵調味料の重層的な旨みが潜み、後を引く。豆腐料理は、外を香ばしく仕上げた角切りの豆腐に、カシューナッツと彩り野菜を合わせ、とろみのある甘辛いソースで絡めた一皿。辛味のメインと白飯の間を、心地よく取り持ってくれた。艶やかに炊き上げられた白米が、これらの濃厚な四川の味を余すところなく受け止める。



乳児連れの我々にも、店は柔軟に対応してくれた。子ども用の椅子と、すりつぶした粥のような一皿が供され、四川の辛い料理を大人が堪能する傍らで、息子も落ち着いて食卓に着いていられた。海の上という特別なロケーションでありながら、家族での食事を排さない懐の深さが、このホテルらしい。
総評
四川料理としての本格度は高く、痺れと辛さに一切の妥協がない。既製の中華に慣れた舌には、この「本場の熱さ」こそが最大のごちそうだった。そして何より、海上の岩に立つという唯一無二のロケーションが、一皿一皿の記憶を鮮やかに焼き付ける。潮風とともに味わう本格四川という体験は、ランカウイの数あるダイニングの中でも際立っている。モダンな中華を、息をのむ海辺の設えで味わいたい方に、迷わず薦めたい一軒である。こうした滞在中の食の愉しみも、Bonvoyのエリート資格や無料宿泊特典に支えられている。どのカードをどう持つべきかは家庭や利用頻度によって最適解が異なるため、気になる方は下記フォームから遠慮なく尋ねてほしい。
レストランでの食事体験
同施設のレストランでの食事評は、姉妹メディア「Gastronomy」で紹介している。
- Langkawi Kitchen|リッツ・カールトン・ランカウイ・オールデイダイニング——ジャングルと海に挟まれた、世界屈指のホテル朝食
- Hai Yan|リッツ・カールトン・ランカウイ・中華料理——水上の絶景と四川の刺激が交差する、特別な夜
- Dining Beyond|リッツ・カールトン・ランカウイ・プライベートダイニング——星空と波音に包まれた、人生で一度の食卓
- The Beach Grill|リッツ・カールトン・ランカウイ・ビーチダイニング——氷上の一尾を選ぶ夜、市場を店内に持ち込んだ設計
この滞在に関連する記事
- ザ・リッツ・カールトン ランカウイ 宿泊記|生後10ヶ月の息子と過ごした5泊6日|約100㎡のコーナールームや、ビーチ・プールを含む5泊6日のリゾート滞在全体を総評としてまとめている。
- Langkawi Kitchen 朝食|生後10〜11ヶ月の息子と楽しんだ朝食|朝食からスパークリングやカクテルまで楽しめる、Langkawi Kitchenならではのスタイルを記録している。
- The Beach Grill ランカウイ|生後10〜11ヶ月の息子と訪れたビーチダイニング|Night Sea Marketで選んだ地魚を、浜辺の炭火で焼き上げる体験を記録している。
Marriott Bonvoyアメックスと筆者へのご質問について
本サイトで紹介しているエリート資格・クラブラウンジ・無料宿泊といった滞在の価値は、その多くをMarriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・カードに支えられている。
カードの入会を検討している方、入会特典をうまく活かす方法を知りたい方はもちろん、Bonvoyの活用法やホテル選び、子連れ滞在の不安といったご相談まで、下記フォームで受け付けている。筆者自身の実体験に基づき、個別にお答えする。
ご入力いただいた内容は、お問い合わせへの返信以外には使用しない。
コメント